その1                       「知らないと言う事」
知らないと言うのは、ある意味とても楽で幸せだが、とても恐ろしいことでもある。
そして、私の「知らない」は「とても恐ろしい」方であった。

なんだかとってもやぁ〜〜〜な気がして獣医さんへ走った。(うちから車で5分もかからない所に、腕のいい獣医さんがあるというのは、皆から羨ましがられる)

「かおる先生!この子ね自分でご飯が食べられないし、鼻からでてくるの」

「あー、口蓋裂(こうがいれつ)かなー」

・・・その通りだった。

私はずっと今の瞬間まで、生まれつきミルクの飲み方を知らない子だと思っていた。
シリンジの押すタイミングが悪いから、ミルクが鼻からあふれてしまうのだと思っていた。それ以上何も疑わなかったので、今の今まで知らなかったのだ。

友達からの電話で、ようやく私は「もしかしたら?」と思うようになり、すぐに病院へ向かったのだ。

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